ソニーがPC事業を別の会社に譲渡して、自らは手を引くというニュースが流れました。
単純に言うと「儲からなくなってしまったから撤退する」ということになるのですが、「ソニーがMicrosoftとIntelに突きつけたレッドカード」という記事に興味深いことが書かれています。
それによると、1つ目として Surface の影響があるそうです。特に低価格であることが大きいようです。
一般的にPCメーカーはパソコンの製造コスト以外に、ソフトウェアのライセンス料を支払います。しかし、Surface はマイクロソフトが販売するので、OSのライセンス料が限りなく0に近いそうです。(メーカーがSurfaceのコストを計算すると、どうしてもOSを0円にしないとつじつまが合わないとのことです。)
確かにそれが事実なら、安く作ることは可能ですし、メーカーは不満が出ます。
また、2つ目として、独創的なパソコンを作りづらいというのがあるようです。
これは、マイクロソフトや Intel が規定する仕様を少しでも外すと認証ロゴマークが取得できなかったり、マーケティング費用(おそらく奨励金の一種)をもらえなかったりするそうです。
それによって個性的な製品を打ち出しにくいという問題があるようです。結果、ソニーはパソコン事業をこれ以上続ける気になれなくなったようです。
日本市場はかなり特殊です。パソコンの世界もいわゆる「ガラパゴス」の状態です。世界的にはパソコンはハードウェアの違いで勝負しますが、日本ではバンドルソフトの違いで勝負します。
その辺の違いもパソコンの売れ行きに大きく影響しているものと思われます。
ソニーの撤退は非常に残念ではありますが、もし日本市場の特殊性が一番の原因だとしたら簡単には解決できるものではありません。
せめてブランド名だけでも残してもらいたいものだなと思います。