問題を冷静に考えてみると?
とても残念なことに、三菱自動車がまた不正を犯してしまいました。今度は燃費試験のデータをごまかしたんです。そこで、冷静に今回の問題を考えてみます。
何が起こった?
三菱が起こした問題は、軽自動車(eKワゴン、eKスペース、日産デイズ、日産デイズルークス)の燃費を実際よりよく見せる工作です。JC08モード燃費の計測時に使うデータをごまかしていました。
燃費はシャシーダイナモという車用のランニングマシーンのようなもので測定します。これはすべての車が同じ条件になるように、公平性を保つためだそうです。そしてこの時に、空気抵抗とタイヤの転がり抵抗を加味するそうです。
三菱は、この抵抗値を小さく申告して燃費をごまかしたらしいんです。変な言い方ですが、うまくいけば、何パーセントかは燃費の数値がよくなるんだとか。実際それによって、低燃費を実現したように見せることができました。
どの程度の問題があるのか?
ここで感情的にならず冷静に考えてみます。
まず、自体が発覚したのは日産からの指摘です。三菱と日産は協力して軽自動車を販売していますが、実際には三菱が中心となって作っています。そして各種の検査も三菱が行っていたようです。しかし、日産が改めて検査を行った結果問題が発覚したようです。
日産のドライバーが燃費テストを行ったところ、何度やっても公表している値に達しなかったらしいです。各メーカーは燃費専門のドライバーがいて、神業的なドライブで超低燃費を実現します。その神業でも出ない数値なので不審に思って問い合わせると、不正が分かったようです。
ところで、数値をごまかしていても、実際に燃費が良ければ実害はほとんどないことになります。日本は変な国で、モード燃費と実燃費の間に大きなかい離があります。つまり、一般のドライバーにモード燃費と同じ数値を出すのは不可能です。
だから、ユーザーが走らせてモード燃費に達していなくても「まあ、こんなもんか」と思ってそれで終わりです。そもそも、本当の燃費は分からないんですよ。
燃費の測定方法にこそ問題があるのでは?
モード燃費が実燃費とほぼ同じなら、ごまかしは不可能です。なぜなら、実際にユーザーが走らせれば分かることだからです。
昔からモード燃費は、「燃費計測専門ドライバーの勝負」をやっていただけなんじゃないでしょうか。つまり、どこのメーカーのドライバーがうまいのかということを競っていただけに思えてならないんです。
それもこれも、燃費の計測方法に問題があるためです。モード燃費と実燃費に差があるからごまかしができ、「燃費なんてそんなもん」という解釈でうやむやになってしまうんです。
まとめ
三菱が不正をやったことは間違いないし、どう考えても悪いことですが、そもそも論で言えば、モード燃費と実燃費の間に差ができること自体に問題があるのも事実です。おそらく行政は一方的に三菱を非難するでしょうが、それで終わるのはおかしいです。
不正をしやすい計測方法をやめ、実燃費が測定できる方法に改めることが求められると思います。
以上、三菱自動車の燃費不正について個人的な考えを書きました。