新型メガーヌ4GTの試乗記です。

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新型メガーヌ4GT試乗記です。ルノーメガーヌの新型に興味がある方に適した内容です。展示車がメガーヌハッチバックで、試乗車がメガーヌワゴンでしたので、両方について詳しく解説しているからです。

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新型メガーヌ4GTを試乗する意味とは?

待ちに待った新型ルノーメガーヌ4の試乗をしてきました。あなたも、「おっ、新型メガーヌはどんな走りをするんだろうか?」と、興味があるからこそ、このページをご覧のことと思います。ところで、新型のメガーヌ4GTの試乗には、非常に大きな意味があります。

なぜなら、4コントロール(4CONTROL)という4輪操舵技術が搭載されているからです。いわゆるCセグメントでは、唯一の搭載例となります。また、エンジンも新しい 1.6Lターボなので、そちらの方にも興味がわきますよね。

そこで、いくつか搭載されている新しい技術にポイントを絞って、ご紹介していきましょう。

新型メガーヌ4GTの試乗ポイント。

それでは、新型メガーヌ4GTの試乗ポイントを説明します。ちょっと長くなってしまいましたが、最後まで目を通していただけると幸いです。

新型メガーヌ4GTとは?

まず、新型メガーヌ4GTについて簡単に説明します。メガーヌシリーズの中では、現在最も上位のグレードです。エンジンは 1.6Lターボで205馬力、28.6kgmのトルクを発生し、変速機は7速のEDC(2ペダルMT)となっています。

外装は、フロントがGT専用のグリルとバンパーで、スポーティな装いになっています。内装では、やはりGT専用のヘッドレスト一体型のシートで抜群のホールディングです。ダッシュボード中央には、7インチワイド画面を持つ、ルノーマルチセンスが装備されています。

続いて、走りについてご紹介します。

試乗したのはワゴン。

試乗したのはメガーヌワゴンです。私が訪問したルノー金沢中央では、展示車が青色のハッチバックで、試乗車が白のワゴンでした。どちらも前後のスタイリングはほぼ同じで、ワゴンは全長が長いだけという感じに仕上がっています。

もちろん、長くなったからと言ってデザインバランスは崩していません。まず、乗り込むときに解錠するわけですが、いわゆるハンズフリーになっています。カードキーを携帯した状態で車に近づき、ドアハンドルに触れてから引くだけです。

これまでは、電波法の関係で日本ではドアの解錠のために別のキーがありましたから、この辺でもルノーがちゃんと日本で本気を出して車を売ろうとしていることがうかがえますね。運転席はハッチバックもワゴンも変わりませんが、相変わらず抜群のシートでした。

ワゴンの良さはリアに座った時にわかりますが、試乗だけでしたので今回は省略です。

エンジンはどうだった?

エンジンを始動すると、滑らかにかかりました。音も静かです。パーキングブレーキは電子式なので、アクセルを踏むと自動的に解除されます。手動のスイッチもありますが、めったに使うことはないでしょう。

なお最初にお断りしておきますが、試乗車は200kmほどしか走っていないため、回転を抑えて走りました。したがって、簡単な感想しかありません。しかし、トルクが29kgm近くあるため非常に余裕のある走りでした。

とにかく上質で、一クラス上の感じです。1.6Lでターボによる過給をしていますが、現代的なターボなので、スムーズに吹け上がります。振動は感じられず、本当に滑らかです。やはり、ヨーロッパのターボは優れていますね。

ちなみに、エンジンについては慣らしが終わったころにもう一度試乗して、改めてレポートしたいと思います。

ミッションはどうだった?

新型メガーヌ4GTのミッションは、パドル付の7速EDCです。以前のEDCは6速でしたが、7速になってより細かくシフトすると同時に、7速をハイギヤードにして燃費を稼いでいるようです。採用された当初から滑らかなミッションでしたが、今も健在でした。

ただし、減速すると自動的にシフトダウンするんですが、その際にややショックが感じられることがありました。マニュアル派にはありがたい感覚かもしれませんが、トルコンオートマに慣れている人にとっては、違和感があるかもしれませんね。

私はマニュアル派なので、「この車はマニュアルで乗りたい!」と思いましたね。いずれにしても、今流行のデュアルクラッチなので、非常になめらかなミッションであることは間違いないですよ。

ハンドリングは、4コントロールはどうだった?

一番の注目はハンドリング、つまり4コントロールはどんな感じなのかでしょう。システム自体はルノーが開発したらしいのですが、動作としては、日産のハイキャスと呼ばれる往年の四輪操舵システムと似ています。

低速時(60km/hまで)に逆位相になり、高速時には同位相になります。なお、走行モードをスポーツに切り替えると80km/hまでが低速の扱いになるようです。それで、実際に運転してみた感想ですが、なかなか面白い体験でした。

一般道を普通に流していて、交差点などでハンドルを切ると、コーナリングが非常になめらかでした。言葉での表現は難しいんですが、一般的な車が曲がらないものを強引に曲げているとしたら、4コントロールは曲がるものを曲げている感じです。

強引さがないというか、車の方が曲がりたがる感じなんですよ。だからと言って、単純に小回りが利くというだけではありませんでしたね。こればっかりは、体験してもらわないとやっぱり説明は難しいですね。なお、高速走行はできていないので、省略させてください。

ルノーマルチセンスはどうだった?

ルノーマルチセンスについても触れておきます。ルノーマルチセンスとは、今回から導入されたもので、ダッシュボードの中央に7インチの画面を持ったコンピューターです。車の状態の表示や設定だけでなく、オーディオの再生も行います。

メガーヌ4 ハッチバック ルノーマルチセンス
※ 写真はハッチバックです。

なお、日本仕様にはナビゲーションが付いていません。オプションでもナビゲーションは用意されていません。今のところ、画面を利用したナビゲーションは、iPhoneやAndroid端末をつないで、画面をルノーマルチセンスで操作する機能が使えるだけです。

サイズ的には2DINですが、交換は不可能です。したがって、テレビを見たいとかカーナビを取り付けたいというときには、パナソニックのゴリラなどを利用するしかなさそうですね。なお、表示は日本語でしたので、操作方法には困りません。

ちなみに、CD/DVDは使えません。USBメモリや携帯端末から音楽データを再生する形になります。これらのことから、ナビゲーション機能について考えなければ、なかなか便利な装備だと言えそうです。

どうやら、ルノーマルチセンスは世界共通の装備らしく、設定を変えると各国語で表示できるらしいですよ。

走りは全体的にどうだった?

走りは全体的にどうだったのか、総評してみます。とにかく全体的になめらかで、上質な走りでした。18インチのアルミを履いていて、しかもルノースポールチューニングのやや硬めの足回りであるにもかかわらず、非常に乗り心地が良かったですね。

もちろん、フランス車独特の柔らかさがあるわけではないんですが、スポーティなチューニングで十分な乗り心地を実現するあたりは、さすがルノースポールです。また、相当しっかりとしたつくりになっているようで、剛性の高さも感じました。

タイヤがコンチネンタルのスポーツコンタクト5だからなのか、それなりにノイズが出ていましたが、車自体は遮音や吸音がうまくできているようでした。走り出すとよくわかりますが、大衆車の域を超えた上質な感じがあって、ドイツの高級車にも負けない印象です。

あと、予防安全の装備として、緊急時自動ブレーキが搭載されているので、メーター中央に前車との距離を示す表示が出ていました。いざという時に力を発揮してくれるでしょう。(もちろん、お世話にならないほうが良いに決まってますけどね。)

個人的に気になる点は?

なかなか良い車でしたが、少し気になるところが個人的には残りました。それは、Cセグメントのルノー車としては、質感が高すぎるところです。そのために価格が高くなっている点が、販売面にどのような影響を及ぼすのか気になりますね。

具体的には、ルノー車の割にはいろいろと装飾が施されていて、「そこまでやらなくてもいいのになぁ。」と感じる部分も多いですね。例えば、車内のイルミネーションやクロームメッキなど。できれば装飾を外して、価格を下げてほしいというのが希望です。

また、一つ下のグレードであるGT Lineでは、最小回転半径が5.6mにも拡大している点も気になります。横幅はかなり大きいので、タイヤハウジングが大きく取れるはずです。なので、回転半径は小さくなってもよさそうなんですが、拡大してしまいました。

GTでは、4コントロールでそれを補って5.2mに収めています。そういった点から考えると、回転半径の拡大分をカバーするために、4コントロールを搭載している側面があるのかもしれませんね。(でも、5.6mと言えば5ナンバーのミニバン並みですからねぇ…。)

おまけ:展示車はハッチバックでした。

今回試乗したのはワゴンでしたが、展示車はハッチバックでした。相当質感が上がっていましたね。特に内装の出来が良くて、ちょっと前のプラスチック感むき出しみたいなところが、無くなっています。

メガーヌ4 ハッチバック フロント

メガーヌ4 ハッチバック リア

メガーヌ4 ハッチバック 室内

あと、エンジンルームも見ましたが、バッテリーががっちりカバーされていて、まったく見ることができませんでしたね。自分で充電するときなんかにかなり面倒です。定期的に充電している人は、端子をケーブルなどで延長するなどの工夫がいるかもしれません。

※エンジンルームの写真はありません。ゴメンナサイ。

まとめ

いかがでしたか?

新型メガーヌ4GTワゴンを試乗した感想を書きました。エンジン、ミッション、4コントロールのハンドリング、ルノーマルチセンス、走り、ハッチバックについて簡単に紹介しました。少しでも雰囲気を味わっていただけたでしょうか。

多少気になる点もありましたが、大衆車の質感ではありませんでしたね。明らかにちょっと高級な車に乗っている印象でした。GTにはフランス本国仕様でもMTの設定がありませんが、GT Line(イギリス仕様)にはMTの設定があるので、ぜひとも導入してほしいと思いました。

ルノー車は試乗してから購入を検討するべきです。というか、試乗したらほしくなってしまうんですけどね(笑)。ご興味のある方は、ぜひお近くのルノーディーラーに足を運んでみてください。

以上、新型メガーヌ4GTの試乗記でした。

コメント

  1. あきひろ より:

    初めまして。唐突にコメント申し訳ありません。
    ご指摘の通り、GTの内装がやや品が無いような気がしたのと、シンプルなグレードが欲しかったのでGTlineの方を契約しました。納車待ちの状態ですが、内装のファブリックもダッシュボードやドアの装飾もシックです。当然ルノー側も売れ筋とは考えていないようで、同グレードの試乗車はなかったですし、ネットの試乗記もGTばかりなので、納車したらレポートします!
    オーディオがソナーセンサーに連動しているので、ナビ交換は厳しいか、と思ったらアルパインと共同開発しているそうです。これからのルノー車は全部マルチセンスになっており、日本の道路情報に対応していないから、ルノージャポンとしては色々考えているでしょうね。

  2. tatsuya より:

    あきひろ様
    コメントありがとうございます。

    そうですよね。ルノーの良さはシンプルなところなんですよね。その代わりに、実用面がすごく洗練されていますからね。使い勝手も走りも。

    ところで、アルパインの件は私もうわさは聞いていました。トゥインゴやルーテシアもアルパイン製の2DINナビ(別接続型のCD/DVDプレーヤー付)がありますからね。でも、価格が30万円近いはずなので、手が出るかどうか微妙です。一番いいのは、ナビユニット(またはプログラム)だけを、各国ように用意することだと思うんですよ。元々そういうつくりにしてしまえば、無駄もなくてよいと思うんですけどね。まあ、日本は台数が少ないから、イギリス仕様の焼き直しにしかならないんでしょうけれど…。

  3. あきひろ より:

    tatsuya様
     GTline納車されました。1.2Lエンジンで十分な走りで静粛性も高く、安定感もあり、Cセグメント車がすごく進歩していることに感心しました。
     しかし、ACCが無いのはいいとして、スマホ(自分はiphoneのマップ)のミラーリングのNAVIは呆れるくらい使いにくい。現在地を真ん中にできないので、移動のうちに自分の位置がマップから見えなくなり、画面を移動させることを繰り返す。ディーラーが「事故に気をつけてください」と言った意味がわかりました。アルパインとの共同開発ナビはご指摘の通り30万くらいかかりそう、とのことで、ポータブルナビが現実的には必要と思いました。

  4. tatsuya より:

    あきひろ様
    まずは、納車おめでとうございます。

    1.2Lエンジンといえども、ダウンサイジングターボなので、N/Aの2L級の力がありますものね。最大トルクが2,000rpmで出てしまうというのも、十分だと感じさせるところなんでしょう。

    う~ん、スマホナビはうまくいかないんですか…。確かに、私もディーラーであまり良い話を聞きませんでしたが。パナソニックゴリラの、最上級グレードなら十分な実力があるように思います。マルチセンス画面の上に若干かぶるように設置すると、実用的ではないかと考えています。

    ところで、ペダルを踏まないでスタートボタンを押したらACCになりませんか? 一度確認してみていただけるとよろしいかと思います。

    新型メガーヌかぁ、ちょっとうらやましいですね(笑)。

  5. あきひろ より:

    tatsuya様

     お返事ありがとうございます。ペダルを踏まないでスタートボタン、今度やってみます。
     スマホナビについてはおそらくandroidかiphoneでも変わると思うんです。googlemapは下手なナビより道路情報が優秀ですが、iphoneはあの不評な純正マップアプリがミラーリングになり、ある程度のナビ機能は果たしますが、Siriに「どこどこに行きたい」と言っても「お探しの場所は見つかりませんでした」と、残念なことが度々生じます。あと、時々スマホをRlink2が認識しなくなり、初期化を2回既にしています。
     ミラーリングについてはandroidスマホで行った方がいいかもしれないですね。
     ちなみに、オーディオに関してルノーはフォーカルのスピーカーがオプションであるとは言え、ドイツ勢には叶わなかったようですが、今回はスピーカー径が太くなったので、純正としては悪くはないと思います。ディーラーの人から「それでもまだまだだと思います。アンプを交換することはできないのでソニックデザインのスピーカーに交換してください。自分も聴きたいです」と言われ、有明ルノーのディーラーマンは自由だなあ、と思いました。
     ちなみにブログ開設しました。よろしくお願いします。

  6. tatsuya より:

    あきひろ様

    スマホは、OSの違いもありそうなんですね(なるほど)。

    ところで、スピーカーはひょっとしたら、クラリオンのセパレートタイプも合うんじゃないかと思っています。かなりコストパフォーマンスが良いと評判ですしね。

    ちなみに、私のメガーヌ2RSはクラリオンの13cmスピーカー(当時は販売していました)に交換しています。個人的には、カーオーディオはスピーカーだけで十分音が良くなると思っています。お金をかけたらきりがない世界ですからね(笑)。

    ブログ見ました。ぜひ困っている方のためにいろいろと情報発信してあげてくださいね。