いよいよ、かねてより言われているBMWのFF車のコンセプトカーが発表されるようです。
ただし、コンセプトカーといってもかなり市販車に近いイメージのようですので、がぜん注目してしまいます。
これまでFR車ばかりを出してきたBMWにとっては新しい試みですが、完全に一からの開発ではなく、確かプジョーとの提携によって実現されるはずです。
FR車に固執する方は多いですが、何を隠そう私もその一人でした。
ところが、その昔初代プリメーラを代車として借りたときに、運転した感覚がまるでFRのような軽快さを持っていたことに驚きました。そして、「FR命!」のような考え方が薄れていったのです。
極めつけはルノーメガーヌRSとの出会いでした。メガーヌRSはダブル・アクスル・サスペンションという特別なサスペンションを持っています。
これは、普通のストラットの場合は、縦の軸がサスペンションアームと操舵の中心軸を兼ねるので、どうしても操舵するとタイヤが転がり、駆動が操舵に影響を与えてしまいますが、それを改良したものです。
具体的には縦軸の外側に操舵の中心軸がくるようにアップライトをタイヤホイールの内側に設けてあります。これによってスクラブ半径がほぼゼロとなり、駆動が操舵に影響しなくなるのです。
おそらくプリメーラのフロントマルチリンクサスペンションもそのようなことを狙ったものだと思います。
つまり、FFでも真剣に作れば、特有の癖を消すことができるのです。一般的には室内空間をできるだけ低コストで広くするためにFF方式が採用されるため、評価が低くなりがちなのだと思います。
何事も、先入観や既成概念を無くした時に真の姿が見えるのではないでしょうか。
あのBMWが出すFFですからきっとがっかりするようなものは出さないと思いますよ。