現代のCPUは、マルチコアが当たり前になりました。
Intelを例にとると、低価格モデルでも2コアがほとんどで、さらに上位品になるとそこにHTを組み合わせてスレッド数を倍にしています。
スレッド数が多くなるということは、同時並行的に処理されるデータが発生することになります。
そうすれば確かに処理速度は高まるし、回路も無駄なく高い稼働率が見込めます。
ところが、メモリはそういった動きに対応していなかったのです。
※「激変するメニーコア時代のDRAMアーキテクチャ」という記事を参照のこと
記事を読んで「確かにその通りだ」と思いました。メモリは高速大容量になり、8GB標準搭載といったことが当たり前となって、通常は容量ばかりに気を取られます。
しかし、メモリは同時並行的にアクセスしにくい構造のために、結局待ち時間が発生してしまいます。
そこで考えられたのが、マイクロンテクノロジーが開発中の「ハイブリッドメモリキューブ(HMC)」と呼ばれるものなのだそうです。
簡単に構造を分析すると、メモリを複数の「スライス」と呼ぶ単位に分割します。そして、そのスライスそれぞれにデータの出入り口「レーン」が準備されます。しかもレーンは入り口用と出口用に独立しています。
さらに、メモリコントローラはそれぞれのスライスに準備されているので、CPUはメモリにデータを送ったり受け取ったりするだけです。
出入り口が複数あるので、同時並行的に動いているスレッドは待つことなくスムーズに処理されます。
このような方式のメモリが開発されているそうですので、うまくすれば劇的に処理速度が向上するかもしれません。
いつの時代でも常にメモリがCPUの足を引っ張ってしまうという状況が続いていましたので、ようやく対等の立場になれるような感じですね。
しかし、メモリって40年間も基本構造は変わっていなかったのですね。
そりゃCPUの足を引っ張るのも無理がありません。
ただ、心配なのは、価格がどうなるかです。今のメモリは異常なほど安いですから。