ピレリのサマータイヤ、パワジーについて走行レビューをお伝えします。読者対象は、パワジーの走りについて知りたい方です。筆者が実際に購入して走りを確認していますので、生の感想をご覧いただけますよ。
ピレリパワジーの走りをレビューします
「ピレリのパワジーって走りはどうなんだろうか?」と疑問を持たれている方は、多いと思います。執筆時点では発売間もないタイヤですから、当然のことだと思います。メーカーサイトやカタログには説明がありますが、実走行の感想が聞きたいですよね。
筆者はピレリパワジーを実際に購入して車に装着してあります。もちろん、装着後に何度も実走行していますので、かなりタイヤの走行特性が分かってきました。装着直後の感想から様々な走行条件に至るまで、お話しできることがあります。
そこで、ピレリパワジーの使用者として、生の感想をご紹介しようと思います。
ピレリパワジーの走行レビュー、評価ポイントは5つです!
それでは、ピレリパワジーの走行レビューをお伝えします。評価のポイントは5つありますので、ぜひ最後まで目を通してください。
ピレリパワジーとはどんなタイヤ?【予備知識】
ピレリのパワジーとは、2022年の3月頃(?)から日本販売が開始されたタイヤです。基本的にはエコタイヤですが、メーカーはスポーツとコンフォートの中間に位置付けています。
※ピレリ総合カタログ2022より
グレード的にはスポーツの P ZERO NERO GT と同等となっていて、事実上、パワジーとの置き換えが行われるようです。また、表を見る限り、パワジーはあらゆる点において中間に位置する商品であることが分かると思います。
※ 以下のページで詳しく説明しています。
パワジー装着直後の、第一印象は?
ピレリパワジーを業者にて車に装着後、早速自宅へ向けて走り出しました。すると、すぐに違いが分かって「軽い、そして柔らかい!」という印象でした。このように感じたのは、その直前に装着していたタイヤが、スポーツタイヤだったからです。
具体的な銘柄は「コンチネンタル エクストリームコンタクトDW」で、グリップが高いためにハンドルが重くあまり転がらないタイヤでした(乗り心地は悪くありませんでした)。そのタイヤとの比較になるので、その違いが明らかだったんです。
また、新品のタイヤは空気の抜けを予想して多少空気圧を高めにしています。すると若干跳ねる感じになるので、さらに柔らかい感じを受けたのもあります。また、転がり抵抗が小さいために車がスムーズに動くという点が、軽いという印象になったんでしょうね。
ハンドルが小さい力で回るようになったのも、軽いという感覚の要因です。まとめると、第一印象は「快適性が明らかに増した!」というものでした。
パワジーの静粛性は?
慣らし運転が終わった直後ぐらいの現状で、かなり静かなタイヤだと思います。このタイヤはどちらかというと、スポーツとコンフォートのほぼ中間に位置する製品ですので、必ずしも快適性だけを狙っていません。そこを考慮すると静粛性は悪くないですよ。
静粛性にこだわったようなブリヂストンのレグノほどではありませんが、かなり安いタイヤなのにうるさいという感じは全くありません。もちろん、装着する車によっても差はあると思います。防音の度合いなどによって、入ってくる音が違いますからね。
なんとなく個人的な憶測では、ある程度の音は残している感じがします。つまり、あまりにも静かだと「どこを走ってるの?」となって路面状況が把握できないので、耳障りにならない音成分を聞かせているイメージです。
これらをまとめると、ある程度の音は聞こえるけれど「うるさい」とは感じず、走行状態が分かるので「安心」という感じではないでしょうか。
パワジーの乗り心地は?
当初はフワフワした感じもありましたが、タイヤが慣れた現状では、十分な乗り心地があると感じています。基本的な方向性は柔らかい印象で、路面の凹凸をうまく収めているようです。接地面の形に合わせてタイヤが変形している感覚があります。
だからと言って、フニャフニャしたりふらついたりするようなことはないです。そこは乗り心地だけを狙ったタイヤではないことが分かりますね。スポーツタイヤには乗り心地の良さを謳うものもありますが、それと比べればパワジーのほうが良いかもしれません。
一方で別の見方をすれば、乗り心地の向上だけを狙ってパワジーを履くと、期待外れになる気がしますね。そんなに期待していなければ、「意外に良かった!」となると思います。
パワジーの燃費は?
燃費については手元のデータでみると、リッター当たり0.6Km伸びています。ただし、正確に燃費テストをしているわけではありませんので、その点はご了承ください(満タン法とオンボードの燃費表示から導き出した数字です)。
それでも、明らかに良くなっていることはわかります。車を運転していても、タイヤの転がり抵抗が小さく、あまりアクセルを踏まなくても前進することが体感できているからです。エアコンをつけている場合でも、軽く進む印象がありますよ。
パワジーのエコタイヤ認定は伊達ではないと思いますね。ただし、低燃費の認定は「A」にとどまっていますので、より燃費の良いタイヤが他にいくらでもあります。これもやはり低燃費だけに期待すると、思いとは違う結果になるかもしれないです。
パワジーの走行性能は?
最後に走行性能についてお話しします。少なくとも、日常的な走りをしている場合には高いグリップを発揮しています。滑るような感じはありませんし、ブレーキが利かないという感じもありません。雨天時の走行についても特に不安はありませんでした。
もちろん、スポーツタイヤではありませんので、無理をかけたときに破綻するタイミングが早い可能性はあります。あくまでもスポーティな味付けであって、本格スポーツではありませんので、そのつもりで走れば十分な性能があると思います。
では、スポーツタイヤに比べると何が違うのでしょうか? 決定的に違うのは、コーナリング性能ではないでしょうか。簡単に言えば、コーナリング時に若干柔らかさを感じます。フニャフニャするほどではありませんが、エコタイヤですから当然でしょう。
逆に言えば、「エコタイヤでここまでスポーティなのか!」という感じですね。良く転がるのにグリップ感があり、エコなのに結構走れると思いますよ。反応は素直な印象で、直進安定性はあるものの、強制的に直進するほどではないですね。
まとめ
ここまで、ピレリパワジーについて走行レビューをしてきました。
すでにお気づきの方も多いと思いますが、パワジーはエコ性能に特化したタイヤではありません。かといってスポーツに特化しているわけでもありません。スポーツとコンフォートの中間地点に位置していると思われます。
メーカーとしても中間的な位置づけにしていますので、まさにその点が裏付けられたような印象を受けます。今回、FFスポーツのメガーヌ2RSに履かせていますが、これまでスポーツタイヤを履いてきた経験からすると「これで十分でしょ」と思います。
タイヤのスポーツ性能は犠牲にしたくないけれど、快適性がないのも困るし、できれば手ごろな価格で入手したいという向きには最適でしょう。スポーツとエコの両方が欲しいという欲張りな方にお勧めできると思います。
スポーティなエコタイヤが欲しいという方でしたら、選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。(個人的には気に入りましたので、おそらく損はないと思いますよ。)
以上、ピレリパワジーの走行レビューでした。
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