メガーヌ2RSのサスペンションとは?

メガーヌ2RSのサスペンションとは? メガーヌ

メガーヌ2RSサスペンションをご紹介します。足回りの形式や特徴をお知りになりたい方は、ご一読ください。フロントのダブル・アクシス・ストラット(DASS)についても詳しく解説しています。

メガーヌ2RSのサスペンションをご紹介

「メガーヌ2RSってどんなサスペンションなんだろうか?」とお考えになる方は多いと思います。ニュルブルクリンクでFF最速記録を出すような車ですから、それはすごいサスペンションが付いているんじゃないかと思いますよね。

もちろん標準仕様のものが付いているわけはありません。当然スポーツ仕様のサスペンションが装備されていますが、フロントにちょっと変わったところがあるんです。しかも3世代にわたって継承されている優れものです。

では、メガーヌ2RSにはどんなサスペンションが装備されているのか、分かりやすくご紹介しようと思います。

メガーヌ2RSのサスペンション、4つのポイント!

それでは、メガーヌ2RSのサスペンションについてご紹介します。4つのポイントに分けて説明しますので、ぜひ最後まで目を通してください。

メガーヌ2RSの駆動方式をおさらい

サスペンションと駆動方式は関係がありますので、最初におさらいしておきます。

今回ご紹介するルノー・メガーヌ2RSはFF(フロントエンジン・フロントドライブ)の駆動方式ですが、ご存じの方も多いと思います。ちなみに、4WDはありません。ごく一般的なCセグメントのファミリーカーですからね。

すると、この手の情報に詳しい方は「ああ、フロントがあれでリアがあれだな」と大体の想像がつくと思います。そうです、その想像通りですよ(笑)。続いて、実際のサスペンションについて見ていきましょう。

サスペンションチューニングは2種類あり!

先にサスペンションチューニングをご紹介します。メガーヌRSは伝統的に2種類のチューニングがあります。

シャシースポール

シャシースポールと呼ばれるチューニングは、スポーティに仕上げながらもできるだけ乗り心地を良くしています。簡単に言うと、最も柔らかい仕上げのサスペンションだといえるでしょう。(と言っても、標準グレードからすると相当固いですけれどね)

シャシーカップ

シャシーカップと呼ばれるチューニングは、サーキット走行も視野に入れたもので、相当走りに振っています。かなり固い仕上げになっていて、個人的には結構しんどいと思いました。スポーティというよりはレーシーと言えるかもしれませんね。

R.26RとかトロフィーRのような、特別なモデルも含めると3種類ですね。

メガーヌ2RSのフロントサスペンションとは?

フロントサスペンションは、ダブル・アクシス・ストラット・サスペンション(DASS)と呼ばれる特別なものを装備しています。基本はストラットなんですが、FFの弱点を克服するために少し工夫を凝らしたものになっています。

これを装備することで、いわゆるトルクステアをほぼ無くしています。運転するとよくわかるんですが、ハンドルから伝わる感覚はFR車のようなんです。頭では前輪が駆動していると思っていても、感じるのはFRですから不思議ですよ。

ダブル・アクシス・ストラット(DASS)の構造とは?

通常のストラットは縦に1本のバーがあり、それが上下して凹凸を吸収しつつ軸を回転させることで舵を切ります。しかし、DASS の場合は上下動のみとし、回転しません。舵を切るための別パーツを取り付けてそこが回転します。

下の写真を見ると、なんとなくお分かりいただけると思います。

メガーヌRSフロントサスペンション
アーム自体は上下動のみ、赤丸の部分を軸に回転して舵が切れる。

「ダブルアクシス」は「ダブルアクスル」とも言います。

トルクステアが解消される原理とは?

FFでトルクステアが出るのは、舵を切った時にタイヤを転がしてしまうからなんです。例えば、右にハンドルを切ると左のタイヤは前へ転がりますが、右のタイヤは後ろへ転がります。でも、アクセルを踏むと両方が前へ転がります。

前へ転がろうとしているのに、後ろへ転がるタイヤがあるということがトルクステアの一因になっているようです。これがDASSになると、舵を切るときの回転軸がタイヤの中心に来るので転がりません。だから、トルクステアがほぼ出ないんですね。

ちなみに、DASS実現のためにホイールが「とんでもないこと」になっていますので、こちらのページもぜひご覧ください。

メガーヌ2RSのホイール、超重要ポイントをご紹介!
メガーヌ2RSのホイールについてご紹介します。ホイールの種類やサイズなどを知りたい方はご覧ください。所有者である筆者が、スペックだけでなく社外品も含めた様々な情報を経験則から解説しています。

メガーヌ2RSのリアサスペンションとは?

リアサスペンションは、ごく普通のトーションビームです。もちろん、スポーツ向けに強化されていますが、特別な構造を持っているわけではなさそうです。にもかかわらず非常に良い走りをしてくれますので、不思議に思う方もいるかもしれませんね。

ただし、強化しているせいなのかダンパーの取り付け位置などの問題なのか、「ドスン」と衝撃を受けることもあります。どうもこのサスペンションには、不得意な路面の凹凸があるみたいです。完全独立ではないので限界はあるんだと思います。

でも、基本的には乗り心地と走りを両立した足回りですよ。

メガーヌRSリアサスペンション
【右側が前】かなり太いトレーリングアームとトーションビームが見えます。

参考 サスペンションの技術的な説明はこちらが詳しいです。

サスペンション・ウォッチング | ルノー・メガーヌR.S.[II]実存転舵軸/ダブルアクシスストラットとは何か|ワゴン|Motor-FanTECH[モーターファンテック]
ルノー・メガーヌRS(Ⅱ)のサスペンションはフロントに「実存転舵軸」を持つ独特の設計になっている。その狙いを考えてみよう。 STORY:國政久郎(KUNIMASA Hisao) TEXT:松田勇治(MATSUDA Yuji)

まとめ

メガーヌ2RSのサスペンションは、基本的にはフロントがストラット式でリアがトーションビーム式です。特にフロントは工夫がしてあり、ダブル・アクシス・ストラット・サスペンション(DASS)という方式でしたね。

これらのサスペンションを基本として、2種類のチューニング(細かく言うと3種類)もありました。これらの足回りが、FFのファミリーカーをスポーツカーに生まれ変わらせているんです。DASSは慣れてしまうと離れられなくなりますよ(笑)。

以上、メガーヌ2RSのサスペンションについてご紹介しました。

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