ルノーメガーヌ2RSに、ボンネットアースをDIYにて取り付けた時のお話をします。読者対象は、車のアース増設に興味のある方です。具体的かつ詳細な取り付け方と、実際にどの程度の効果があったのか解説しています。
なぜメガーヌ2RSにボンネットアースを取り付けたのか?
以前、いわゆるアーシングと呼ばれるものを施工しました。このページをご覧になるくらいですから、ご存じだと思います。その時感じたのが、「ノイズ対策になるなぁ」というものでした。すると思うのが「さらに効果的な方法はないか?」ということです。
調べたところ、「どうやらボンネットアースが効果的らしい」というのが分かりました。つまり、ボンネットとバッテリーをケーブルでつなげば、エンジンルームのノイズ対策に効果があるということなんですね。
そこで、メガーヌ2RSにボンネットアースを取り付ける方法と、実際どうだったのかを詳しくご紹介しようと思います。
メガーヌ2RSにボンネットアースを取り付けるときのポイント!
それでは、メガーヌ2RSにボンネットアースを取り付けるときのポイントをご紹介します。ポイントは4つありますので、ぜひ最後まで目を通してください。
ボンネットアースの取り回しを検討
ボンネットアースを取り付けるにあたっては、最初に取り付けるポイントとその取り回し方法を検討しなくてはいけません。なぜなら、車種専用キットは売っていないからです。実測して長さに合ったケーブルを用意する必要があるわけですね。
メガーヌ2RSの場合は、以下のような感じでケーブルを這わせました。バッテリーが写真右側にありますので、右側のボンネットヒンジから最短距離でうまく処理しています。ケーブル長は1~1.5mぐらいになるかと思います。
ボンネットアースのイメージ
ここは実測で確認しましょう。ひもを這わせてみれば簡単に長さが分かります。すると必要なケーブルの長さが分かりますので、実測に最も近い長さのケーブルを探すことになるわけです。
ボンネットアース用のケーブルを探す
ここでは汎用のケーブルをご紹介します。ボンネットアース用には、アーシング向けに加工されたケーブルが使いやすいと思います(もちろん自作しても可)。ケーブルの両端に端子が付いていて、ビニールの被覆がしてある既製品です。
色々なメーカーから出ていますので、好みのものを選んでください。サン自動車工業の製品が見つけやすいかもしれません。ショップオリジナルの商品などもあると思いますが、そこは好みで良いと思います。
また、今回はすでにアーシングを施してあり、バッテリーターミナルに集線用のものが増設されていますが、ボンネットアース1本だけを付ける場合であれば、別途ターミナルを購入しなくても大丈夫だと思います。
ケーブル購入の具体例
例えば、長さ1mほどのボンネットアースをサン自動車工業の製品で選ぶと以下の通り。
- オプションワイヤー 1200mm・・・1本
これだけで、バッテリーへの接続もボンネットへの接続もバッチリです。もちろん、他社の製品で似たものを見つけられれば、それでも全く問題ありませんよ。
ボンネットアースの取り付け
続いて、実際の取り付けの様子をご紹介します。以前にDIYで行っていますので、すでに取り付けてあるものを撮影しています。作業の画ではない点はご容赦ください。
バッテリーのカバーを外す
メガーヌ2RSのバッテリーはカバーで保護されていますので、まずはカバーを外します。2本のボルトをスパナなどで外して、手前のプラスチックピンを抜き取ると、カバーが完全に取れます。
ボンネットのボルトを緩める
続いてボンネットのボルトを緩めます。ボルトは、向かって右側のヒンジについているものを緩めました。これは、バッテリーに最も近く取り回しがしやすいからです。ボルトは上下に2本ありますが、下側が配線するうえで良いと思います。
※赤丸の部分に、上下2つのボルトが見えます。
緩めるときのポイントですが、スパナなどを使ってゆっくり丁寧に緩めます。緩めた瞬間に少しだけ軋み音がすると思いますが、怖がらずに緩めてください。ケーブルの端子が丸形の場合はボルトを抜き取るところまでしましょう。
ボンネットに端子が当たる部分は、塗装をはがす処理をすると、よりしっかりと接触するので効果が高いと思われます。
ヒンジにアース線を取り付ける
ボンネットヒンジのボルトにアース線を取り付けるときは、ヒンジとボルトの間に端子をはさむようにします。しっかり(馬鹿力はダメ)締めこんで取り付けましょう。この時、締めこむ力以外にも注意点があります。それはボルトの塗装です。
おそらくボルトの塗装が少し剥げてしまうと思います。そのまま放置すると錆の原因になりかねませんので、あらかじめタッチアップペイントを購入しておき、丁寧に塗料を塗って補修しましょう。純正品はディーラーで購入できます。
なお、純正品が高いと感じるのであれば、似たような色を用意するかクリアでも良いと思います。要するに塗料で保護すればよいわけですからね。
付ける方向は、ボンネットを開けたときにケーブルが下向きになるようにしました。この方が線の取り回しとしては、一番きれいに収まると思ったからです。
バッテリーにアース線を取り付ける
バッテリーにアース線を取り付けましょう。もともとついているバッテリー端子のナットを外し、ボンネットアースの線を挟むようにナットを取り付けます。ケーブルが若干余ったので下に垂らすようにして対応しました。
※手前にある銅色の端子は、アーシングキットに付属のもの。
取り付けが完了したら、バッテリーカバーを戻して完了です。文章で説明すると難しそうですが、意外とやっていることは簡単ですよ(ただ、初めての作業だと緊張して時間がかかると思いますけどね)
実際のところ効果はあったのか?
さて、作業が終わった後に最も興味があるのは、その効果ですよね。果たしてボンネットにアース線を取り付けて、効果はあるのでしょうか?
結論としては、効果が感じられました。狙い通り、ノイズ対策に効果的であることが分かったのです。というのも、明らかにラジオの受信感度が向上し、スピーカーから流れる音もノイズの少ない音質になったからです。
AMラジオはどうしてもザーザーやブツブツといったノイズが入ったり、こもるような音質になりがちですが、それがかなり改善されてよりハッキリと聞こえるようになりました。ちなみに、FMは分かるほどには変化していないようです。
以前施したアーシングに比べると、明らかに効果が大きいと感じました。ノイズ対策だけであれば、大掛かりなアーシングに汗(お金)を流すよりも、ケーブル1本のボンネットアースの方がよほど効果が高いのではないでしょうか。
ボンネットアースの原理とは?
ボンネットアースでノイズが減る原理とは、どのようなものでしょうか? 筆者が聞いた話によると、エンジンルームから出るノイズをボンネットが拾い、それをケーブルで直接バッテリーに流すのでノイズを減らせるのだそうです。
大きな金属の板で「ノイズを一網打尽」にするということみたいですね。ということは、金属製ではないボンネット(カーボンボンネットなど)の車では、ボンネットにアース線をつないでも意味がないということでしょうか。
なので、車によっては全く意味がないという可能性もありますね。
まとめ
ボンネットアースは比較的簡単に取り付けができ、ノイズ対策としては効果がかなり高い施策であることが分かると思います。一般的なアーシングがエンジンなどを中心にアース線を複数つなぐのに対して、1本の線で済んでしまいます。
手間もコストも少なくて済むという点と、非常に効果が感じられるという点で、アーシングの中では抜群にコストパフォーマンスが高いのではないでしょうか。これならお勧めできるライトチューニングだと思いますよ。
高級車の一部ではボンネットアースが標準装備らしいですから、ご興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。
以上、メガーヌ2RSにボンネットアースを取り付けたときのお話しでした。
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