タイヤの赤色や黄色のマークの意味について説明します。読者対象は、タイヤのマークの意味や使い道を知りたい方です。タイヤだけでなく、ホイールの青や白のマークについても関係性を説明しています。
なぜ、タイヤの赤色や黄色のマークが重要なのか?
「タイヤについている黄色や赤色のマークって何なの?」と疑問を持たれてこちらのページをご覧の方は多いのではないでしょうか。確かに、新しいタイヤにはマークがついている場合が多いですよね。製造とか検品に必要なマークでしょうか?
筆者も気になりましたのでいろいろと調べたところ、ネット上に詳しい説明がありました。ですが情報が点在していて、一度にすべてを知るのは難しいと思いますので、筆者がしっかり吟味して一覧できるようにまとめました。
それで、タイヤのマークにはそれなりに意味があり、ホイールを組み込む際にとても大きな役割を果たしていたんです。つまり、タイヤのマークを指標とすることで、組み込んだ後の性能に何かしらの影響があるといえます。
では一体、どのような影響があるんでしょうか? タイヤだけでなくホイール側にもマークがありますので、そちらと合わせて意味や役割を説明しようと思います。
タイヤの赤色や黄色のマーク、意味を説明します!
それでは、タイヤの赤色や黄色のマークについて意味を説明します。ホイールのマークについても説明し、組み込み作業との関係性も詳しく解説していきましょう。
タイヤに付けられたマークの意味とは?
まずはタイヤのマークについてその意味をご紹介します。タイヤには、黄色と赤色の丸いしるしがついていますので、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
タイヤの黄色マークとは?
タイヤについている黄色の丸いマークは、最も軽いところを表しています。なので、この黄色いしるしのことを『軽点』と呼んでいます。でも、「タイヤの軽いところにマークがあるなんて、そんなにバランスが悪いの?」と思われる方も多いと思います。
どのメーカーもかなり高い精度で作っていますが、それでも微妙にバランスが崩れてしまうようです。いわゆる公差というものだと思いますが、ほんの数グラムの重量の偏りができてしまうらしいんですよ。
それで、最もバランスが悪い部分として、軽いところにしるしを付けているそうです。
タイヤの赤色マークとは?
タイヤについている赤色の丸いマークは、最も出っ張っているところを表しています。この赤いしるしのことを『ユニフォミティマーク』と呼んでいます。すると、「タイヤって真ん丸じゃないんですか?」と思われる方は多いんじゃないでしょうか。
やはりこちらも軽点と同じで、どんなに高い精度で作っても微妙に歪んだ部分ができてしまうそうなんです。これも公差の範囲だとは思いますが、歪みの中でも最も出っ張った部分を赤色のマークで表しているそうです。
タイヤにマークがない場合もある?
※マーク無しのイメージ(写真は内側です)
軽点やユニフォミティマークを付けていないメーカーがあります。それはミシュランです。どうやら、コストアップを嫌っているらしいんですが、マークを付ける必要がないくらい精度が高い自信があるみたいですよ。
でも、激安タイヤでもマークを付けていますので、やはりコストよりは自信の表れと理解したほうが辻褄が合いそうですね。
ホイールに付けられたマークの意味とは?
続いて、ホイールに付けられたマークの意味を説明します。
ホイールの青色マークとは?
※青色のマーク(ほぼ水色です)
ホイールにもタイヤと同じようにマークがついている場合があります。多くの場合は青色のしるしですが、白色の場合もあるようです。これをローポイントマークといって、ホイールの最も凹んだ部分を示しているのだとか。
タイヤのユニフォミティマークのところでもお話ししましたが、どんなに高い精度で作ってもほんの少しだけ歪みが出るそうです。それで、歪んでいる部分として凹んだところを示すローポイントマークを付けて、分かるようにしています。
ですが、ほとんど見かけることのないマークだと思います。筆者が見かけたものとしては、日産のノート(E12)とスズキの軽自動車です。タイヤと違って、ホイールは必ずしもマークを付けていないみたいですね。
ホイールのバランスに関するマークは無いの?
ホイールには歪みに関するマークがあるわけですが、すると「バランスに関するマークはないの?」となりますよね。つまり、タイヤの軽点に相当する、重さに関係したしるしがどこかにあるんじゃなかということです。
ホイールには、バランス(重さ)に関するマークはありませんが、実はゴムバルブの取り付け位置が、実質的なマークになっています。バルブを付けるとその部分が重くなるので、そこが一番重いところとして認識されているのだそうです。
つまり、ホイールはそもそもバランスが偏っているといえそうですね。バルブの位置は一目瞭然ですから、マークの必要性がないということなんでしょう。
マークを利用したタイヤ・ホイールの組み込み方とは?
ここまでご紹介したタイヤとホイールのマークは、組み込み作業の時に利用されています。その方法は3種類ありますので、それぞれについて詳しくご紹介しましょう。
軽点で合わせる組み込み
タイヤの軽点を指標としてホイール組み込みを行う方法があります。この場合は、タイヤの軽点とホイールのバルブの位置を一致させます。すると、タイヤの軽い部分とホイールの重い部分を組み合わせるので、重さを相殺することになるわけです。
このようにすると、バランス調整の際になるべく少ないバランスウェイト(金属製の重り)の量で、できるだけ軽く仕上げることができます。車は、バネ下の重量を減らすことで走りが良くなったり燃費が向上したりしますので、そこを狙うわけです。
ただ、ほんの数十グラムのことなので、体感できるほどの違いはないかもしれませんね。
ユニフォミティマークで合わせる組み込み
タイヤのユニフォミティマークを指標としてホイール組み込みを行う方法があります。この場合は、タイヤのユニフォミティマークとホイールのローポイントマークを一致させます。すると凸凹が重なるので、歪みが相殺されてより真円に近くなるそうですよ。
このようにするとスムーズに転がるタイヤになるので、振動を抑えて快適な仕上がりになるのだそうです。振動はかなり分かりやすいですから、体感できるほどの違いが出る可能性があるんじゃないでしょうか。
何も合わせない組み込みの場合もある
何の指標もなくタイヤ・ホイールの組み込みを行う場合もあります。理由は単純で、タイヤにマークがついていない場合はそうなります。まれに、組み込みを行った人がマークについて何も知らないということもあるようです。
もちろん、このような組み込みでも問題はありません。タイヤのマークを利用することが絶対というわけでもないですし、法的な取り決めがあるわけでもないからです。
どの組み込み方が良いのか?
軽点を利用する方法と、ユニフォミティマークを利用する方法があることがお判りいただけたと思いますが、では、どちらの方法が良いのでしょうか? 両方の組み込み方法から選べる場合は、ユニフォミティマークを優先したほうが良いそうです。
なぜなら、歪みを補正する方法がユニフォミティマークとローポイントマークで相殺する方法以外にないからです。バランスは、ウェイトを使えばいくらでも調整が利きますが、形の歪みは補正のしようがないんです。
つまり、バランスウェイトで多少重くなったとしても、歪みを補正するほうがメリットが大きいということが言えそうですね。
なぜ軽点で合わせる組み込み方が多いのか?
ところで、現実問題としてほとんどのタイヤ組み込みは軽点で合わせています。ユニフォミティマークで合わせる位相合わせは、あまり見かけないでしょう。これには、それなりの理由があるようなんです。
最も多い理由は、位相合わせをしたくてもできないということです。先ほどもお話ししましたが、車好きの筆者が気を付けて見ていても、ホイールにローポイントマークがついている車を見かけることはなかなかありません。
なので、位相合わせで組もうとしてもマークが無いからやりようがないんですね。そのような事情から、どうしても軽点で合わせる方法にせざるを得ないわけです。
他には、お店の裏事情が関係する場合もあるそうです。それは、できるだけバランスウェイトを使いたくないというものです。コスト削減という意味で、ウェイトを少なくしやすい軽点合わせにすることがあるのだとか(意外と深刻な事情かも…)。
【余談】軽点で合わせることの問題点とは?
軽点で合わせる際に、ちょっとした問題があるそうです。それは、必ずしもホイールのバルブ位置が重いとは限らないというものです。通常、バルブ位置が最も重いと決め打ちしているんですが、調べてみるとそうでもない場合がたまにあるのだとか。
ホイールにバルブを付け、タイヤを組み込まない裸の状態でバランサーにかけてみると、バルブとは関係ないところが重いという判定になることがあるそうです。つまり、バルブ位置が重いという決め打ちは、必ずしも正しくないんです。
本当にバランスを重視するのであれば、一度ホイールとバルブのみでバランスを調べる必要があるようです。でも、そこまでやってくれるタイヤ屋さんは、決して多くはないかもしれませんね。
まとめ
ここまで、タイヤのマークについてご紹介しました。マークに関する情報がネット上に点在していましたが、当ページでまとめたのでわかりやすくなったのではないかと思います。
タイヤを自分で組み込む方は少ないと思いますので、マークについて知っていても直接役に立つことはない情報かもしれませんが、それでも知らないよりは良いと思います。ポイントとなるのは、位相合わせが理想的であるという点ではないでしょうか。
なので、もし車のホイールにローポイントマークが付いている場合は、新しいタイヤに組み替える際に「ユニフォミティマークで合わせてください!」と技術者に伝えましょう。これで、真円度が高く振動が少ないタイヤになると思いますよ。
以上、タイヤの黄色や赤色のマークについてご紹介しました。
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