タイヤ交換、トルクレンチは欠かせません!

タイヤ交換、トルクレンチは欠かせません! タイヤ

タイヤ交換をする際に、トルクレンチを使うことが重要であることを説明します。タイヤ交換を安全安心、そして確実に行いたい方はご覧ください。トルクレンチが果たす役割だけでなく、種類についても解説しています。

なぜ、タイヤ交換にトルクレンチが重要なのか?

「タイヤ交換を自分でするときは、トルクレンチを使った方がいいの?」と疑問を持たれている方は多いと思います。確かに、締め付けトルクが設定できるレンチがあった方がよさそうだけれど、道具をそろえるのはお金がかかるし面倒ですよね。

その気持ちはよくわかるんですが、実際にはトルクレンチのような専用工具があれば間違いなく便利ですし、タイヤ交換を自分でするのであれば、必須で使用すべき道具でもあるんですよ。とにかく重要な工具であることは間違いありません。

そこで、タイヤ交換にトルクレンチをぜひ使っていただきたいので、その理由が分かるように詳しく説明していこうと思います。

タイヤ交換にトルクレンチ、知っておきたい5つのポイント!

それでは、タイヤ交換にトルクレンチを使う重要性について説明します。ポイントは5つありますので、ぜひしっかりと目を通してください。

ナット(ボルト)は、強く締めればよいわけではありません。

タイヤ(ホイール)を車に取り付けるときにナット(ボルト)で締め付けますが、あなたはどれくらいの力をかけていますか? おそらく「しっかり取り付けたい」と考えて、結構力を入れているのではないかと思います。

ですが、ナット(ボルト)は力いっぱい締めればよいわけではありません。たまに足で蹴って締めているおじさんを見かけますが、馬鹿力で締めるのは言語道断です。後々外れなくなる可能性があるばかりか、ボルトを折ってしまうことも十分あり得ます。

ナット(ボルト)は金属の膨張と収縮をうまく利用して、金属同士がかみ合うようにして固定しています。ところが、強く締めすぎると力で固定することになり、金属がかみ合わなくなってしまうんです。逆に、緩む可能性すら出てしまいます。

ですので、ナット(ボルト)は力任せに締め付けてはいけないことを、ぜひ知っておいていただきたいと思います。

国産車はナット締め、輸入車はボルト締めがほとんどですので、「ナット(ボルト)」という表現にしています。

ナット(ボルト)を締める力は決まっています!

では、ナット(ボルト)はどれくらいの力で締め付ければよいのでしょうか? 実は明確に数値で決まっています。車の取扱説明書を見ると、整備に関する項目でちゃんと締め付けに必要な力である「トルク」が記されています。

単位は「Nm(ニュートンメーター)」で、一般的には略して「ニュートン」と呼んでいる場合が多いです。具体的な数値ですが、おおよそ 100~130Nm の範囲で車ごとに締め付けトルクが決まっています。

上記数値は、車の種類や重量、タイヤ(ホイール)の大きさなど様々な要因で決まるようですので、あくまでも参考として捉えてください。つまり、車ごとに締め付けトルクが決まっているので、車種別にマニュアルで調べる必要があるんですね。

感覚でトルクを測るのは、並大抵のことではありません。

すると、「自分の車は 120Nmと書いてあるけど、いったいどれくらいの力なんだよ」となるのではないかと思います。そりゃそうですよね、日常生活で「瓶のふたを10Nmで締めておいてね」みたいな会話はありませんから(笑)。

トルクを感覚で測れる人は、まず居ません。よほど熟練の職人さんであっても、ごく一部の人だけが分かるそうですから、一般人には到底不可能です。そんな時に役に立つのが専用の工具である「トルクレンチ」なんですね。

トルクレンチを使えば、正確にトルクを測ることができます。なので、トルクレンチなら完ぺきな作業ができるわけです。プロのメカニックであってもトルクレンチで必ずチェックしますので、素人なら必須の工具といえるのではないでしょうか。

トルクレンチを使えば、タイヤ交換が簡単かつ安心です。

トルクレンチを使うと、タイヤ交換がとても簡単でしかも安心になります。というのも、作業自体が何をすればよいのかはっきりするからです。ザックリと作業を振り返ってみると以下のような感じです。

  • ジャッキアップ・・・タイヤが浮くまで車体を上げる(見た目でOK)
  • ナット(ボルト)を緩める・・・完全に外れるまで緩める(見た目でOK)
  • ジャッキダウン・・・ジャッキが外れるまで下げる(見た目でOK)
  • ナット(ボルト)を締める・・・○○Nmになるまで締める(数値で厳格)

つまり、ナット(ボルト)の締め付けだけが、数値で表されているんです。見た目や感覚だけでは作業できないんですね。トルクレンチがあれば簡単ですが、なければ不安を払しょくするために力いっぱい締めてしまうことになるでしょう。

また、トルクレンチは車に標準装備されていませんので、存在すら知らない方もいらっしゃると思います。別途購入しなくてはいけないので、面倒だし出費もあるから、今一つ普及してないのではないでしょうか。

締め付けトルクは、すべてのナット(ボルト)に対して均一であることが重要ですので、そういった意味でもトルクレンチは欠かせないと思います。

どんなトルクレンチがおすすめなのか?

ここまでの説明で、トルクレンチの必要性はお分かりいただけたと思うんですが、「じゃあどんなのを買えばいいの?」となるのではないかと思います。トルクレンチには迷うほどの種類は無く、アナログとデジタルの2種類があります。

アナログ式のトルクレンチ

アナログ式トルクレンチ
アナログ式トルクレンチの例

アナログ式のトルクレンチは、内部にバネが入っていて、その力を利用してトルクが設定できるようになっています。ネジ式になっているので、トルク設定は目盛りを合わせる方式ですが、とても安く手に入るのでお勧めです(3,500円ぐらい)。

ちなみに、使い終わったらトルク設定を無しにします。そうしないと、バネにテンションがかかり続けてしまうため、バネがゆがんで狂いが生じる可能性があるんです。なので、扱いが少し面倒といえるかもしれないですね(ですが、機能的には十分です)。

デジタル式のトルクレンチ

デジタル式トルクレンチ
デジタル式トルクレンチの例

デジタル式のトルクレンチは、内部にトルクを検知するセンサーが入っているので、電池式で動くようになっています。トルク設定も数値で入力するだけなので、とても簡単です。ただし、高価なので予算に余裕がある方向けですね。(8,500円ぐらい)

ちなみに、デジタル式はトルク設定にバネを使っていないので、扱いに注意するところはほとんどないといえます。もちろん、電池を定期的に交換しなくてはいけない点が、やや面倒かもしれませんが。

【参考】トルクレンチの使い方とは?

トルクレンチの使い方はとても簡単です。先ほど少し触れましたが、トルクレンチの使用方法に従ってトルクを設定するところがポイントです。車の取扱説明書で調べた数値に合わせましょう。これで事前準備は完了です。

実際の使い方ですが、タイヤ(ホイール)をナット(ボルト)である程度締め付けた後に、トルクレンチの登場です。満を持して大物の登場と言わんばかりに、まさに最後の締めとして使用するわけですね。

ナット(ボルト)をトルクレンチで締めると、アナログ式なら「カチッ!」、デジタル式なら「ピピッ!」と音が鳴って、設定したトルクに達したことを知らせてくれます。これを繰り返せばすべてのナット(ボルト)を規定のトルクで締められるわけです。

トルクレンチはトルクを測るために使うものなので、ナット(ボルト)を緩める・締めるという作業は一般的なレンチで行ってください。

まとめ

タイヤ交換の際に、トルクレンチが重要であることを説明してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。

トルクレンチは、単に作業を楽にするものではなく、安心して確実な取付を実現するものだといえます。先ほどタイヤ交換の作業内容を分析しましたが、唯一ナット(ボルト)を締めるところだけが、明確に数値で決まっています。

数値で決まっている作業を感覚で行うのは、勘を頼りにいわば適当な作業になりますから、当然ですが不安が伴います。また、決まった数値(トルク)で締め付けないと、外しにくくなったり、緩みやすくなったりします。

これをトルクレンチ1本で簡単に解決するわけですから、安全安心を確実に手に入れられるのであれば、安い買い物ではないでしょうか。アナログ式の安いもので十分ですから、自分でタイヤ交換される方は、ぜひお使いいただければ幸いです。

以上、タイヤ交換にトルクレンチが欠かせないというお話しでした。

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