スタッドレスタイヤの寿命について、5つの見極めポイントをご紹介します。スタッドレスタイヤの使える年数を知りたい方や、買い替えを検討されている方はご一読ください。感覚的なものだけでなく、具体的な指標を解説しています。
なぜスタッドレスタイヤの、寿命の見極めが重要なのか?
「スタッドレスタイヤの寿命って、どう判断すればいいんだろうか?」と疑問をお感じの方は多いのではないでしょうか。確かに、スタッドレスの寿命は判断が難しいですよね。3年ぐらいでダメだとか、溝があれば使えるとか様々ですから。
ですが、正しく見極めないと寿命が来ているものを使い続けることになったり、使えるものを廃棄したりしかねません。明確な指標でスタッドレスタイヤの寿命を見極めないと、危ない目に遭ったり大損したりという可能性があるわけです。
そこで、感覚的なものだけでなく明確な指標を挙げますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
スタッドレスタイヤの寿命、見極めポイントは5つある!
それでは、スタッドレスタイヤの寿命について、見極めポイントを説明します。ポイントは5つに絞りましたので、ぜひすべてに目を通してください。
そもそも、スタッドレスタイヤの寿命とは何か?
寿命の見極めポイントの前に、スタッドレスタイヤの寿命とは何か確認します。十分ご存じの方もいらっしゃると思いますが、少しの間だけお付き合いいただければ幸いです。
スタッドレスタイヤの寿命とは、雪や氷の上を走行するには適さないゴムになっている状態と言えるでしょう。厳密な言い方をすれば、スタッドレスとしては適さないけれどサマータイヤとしては使えないこともない状態です。
なので、タイヤとしての体をなしていても、スタッドレスとは呼べない状態だと「これはもう寿命だなあ」となるわけです。つまり、タイヤとしての寿命とスタッドレスとしての寿命の2種類があることになりますので、そこは分けてお考え下さい。
【ポイント1】減ったら寿命です
まず、最も分かりやすいのはスタッドレスタイヤが減った状態でしょう。当然ですが、すり減ったタイヤは寿命ですので交換が必要です。この時プラットフォームと呼ばれる部分が指標になります。これは、50%摩耗を知らせています。
一般的に、タイヤはスリップサインが出るまで法令上使用可能ですが、スタッドレスタイヤの場合はプラットフォームが出てきたら、スタッドレスとしては寿命です(サマータイヤとしては使用可能)。
ですので、元々スタッドレスタイヤはサマータイヤの半分の寿命しかないといえます。ちなみに、プラットフォームが出てしまったタイヤの履き潰しは推奨されないそうです(濡れた路面に弱く、危険だからなのだとか)。
※ブリヂストンのサイトで詳しく説明されています。
【ポイント2】硬化したら寿命です
スタッドレスタイヤの寿命で重要なポイントがもう一つあります。それはゴムの柔らかさです。スタッドレスタイヤは凍結路面への対策として、ゴムの柔軟性を利用している場合が少なくありません。なので、硬化したタイヤは寿命なんです。
つまり、タイヤがすり減っているかどうかに関係なく、硬化したら寿命と判断します。なので、硬度を基準としたスタッドレスの寿命判断も必要なんですね。ところで、ゴムの柔軟性は『硬度計』を使うことで簡単に把握できますよ。
ところが厄介な問題があって、ゴムの硬度はタイヤごと(※)に違うんです。つまり、購入直後に硬度計で測定して、それを基準値にしないといけないんですよ。最初に測って、その後は1年ごとに測定すれば、硬さの変化がつかめるわけです。
※例:ブリヂストンVRX3とヨコハマIG70では、硬度が初期段階で違います。
明確な数字を挙げるのは難しいんですが、例えば最初に測った時に50だったとして、それが数年経って60になったとしたら、さすがに硬化が進行していると思われます。最初と比べて明らかに数値が大きくなったら寿命ではないでしょうか。
硬度計の扱い方について
硬度計は、それぞれで表す数値が違うそうです。したがって、同型の硬度計で測定しないと参考にもならない可能性があります。できることなら硬度計を購入しておき、同じものを使いまわすようにしましょう。
【ポイント3】滑るようになったと感じたら寿命です
見かけ上問題ないと考えてスタッドレスタイヤを装着したものの、実際に氷雪路を走ったところ滑って怖い思いをしたという方がいると思います。そのような場合は、タイヤの氷雪路におけるグリップ力が低下しているのかもしれません。
多くのドライバーはタイヤと路面に合わせて運転しているはずなので、多少性能が落ちても自然と対応しているはず。しかし、それでも滑ると感じたのであれば、スタッドレスタイヤの寿命が来ていると考えてもいいのではないでしょうか。
スタッドレスタイヤの減りに変化がないのであれば、硬化が進んでいることを感覚的に認識したのだと思います。ただし、同じ場所であっても日時が変われば状況も変化しますので、たまたまグリップしづらい状態に遭遇した可能性もあります。
ですので、本来は前もって硬度計でタイヤの柔らかさを測定しておき、数値として硬化の有無を知っておきたいわけです。そうすれば、物理的に寿命が来たのか、スタッドレスタイヤでも太刀打ちできない路面状況だったのかが判断しやすくなりますよ。
【ポイント4】使用限界年数が来たら寿命です
タイヤはおおよその使用期限があります。メーカーの推奨では、サマータイヤの場合で製造から5年経過したら一度専門家の点検を受け、10年間経過したらタイヤの使用限界(新しいタイヤへ交換)とされているようです。
スタッドレスタイヤはそれよりも使用限界が短いと考えられますので、例えば、3年経過したら点検を受けて、6年経ったら寿命という感じかもしれませんよ。少なくとも、10年使い続けるのは難しいのではないでしょうか。
やはり、一番の要因はゴムの硬化です。ゴムは本来硬いものですが、それに混ぜ物をして柔らかくしていますので、使わず保管していても経年変化を起こしてしまうんです。主にオイルを混ぜているそうですが、それが抜けてしまうのだとか。
そのような理由から、溝があって使えそうなスタッドレスタイヤでも、一定年数経過しているものは寿命が来ている可能性があるわけです。
※ブリヂストンのサイトで詳しく説明されています。
【ポイント5】新しいのが欲しくなったら寿命です
新しいスタッドレスタイヤが欲しくなった時も、ある意味で寿命ではないでしょうか。もちろん明確な基準があるわけではないし、完全に主観による感覚的なものではありますが、決して侮れない判断理由だと思うんです。
というのも、新しいスタッドレスタイヤが欲しくなった理由があるはずだからです。例えば性能が低下したと感じた、新製品に興味が湧いた、より性能を上げたくなった、などが考えられると思います。つまり、今のタイヤに満足できなくなっているんです。
それはある意味、スタッドレスタイヤの寿命ではないでしょうか。物理的に使用不可能ということではなく、使用者が寿命を決めるということになりますね。予算的に問題がないのであれば、このような寿命の決め方はアリだと思います。
まとめ
ここまでスタッドレスタイヤの寿命についてお話ししてきましたが、参考にしていただけましたでしょうか? ポイントは5つありましたが、物理的な判断基準はすり減った状態と硬化が進んだ状態の2点しかないことにお気づきでしょうか。
寿命を何となく年数で考えるのではなく、明確な基準を設けておくことで使えるタイヤを廃棄することを防げますし、危険なタイヤを使い続けることを防ぐこともできるのではないでしょうか。保管の仕方や使い方でも寿命は変動しますからね。
これらの寿命の基準を参考にしていただければ、最も良いタイミングでスタッドレスタイヤを買い替えできるのではないかと思います。お得かつ安全にスタッドレスタイヤを使用していただければ何よりです。
以上、スタッドレスタイヤの寿命について、5つの見極めポイントをご紹介しました。
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